食品コンビナートとは
食品コンビナートは、港湾に面した埋立地に製粉・製糖・製油・冷凍食品・菓子・飲料などの食品製造企業が集積し、原料の輸入から加工・出荷までを効率的に行う食品工業の集積地です。石油化学コンビナートと同様に、共有インフラ(蒸気・排水処理・電力・サイロ)の共同利用によりコスト削減を図っています。全国4か所の食品コンビナートでは合計約[1]130社が操業し、日本国内の食品製造業従事者の約5〜6%を占める主要な食品生産基地となっています。
日本の食品コンビナートは主に1960〜70年代の高度経済成長期に、増大する都市部の食料需要に応えるために整備されました。千葉地域の2つのコンビナート(千葉食品・京葉食品)は首都圏の食料需要の約40%を供給し、西日本の神戸・大阪の2コンビナートは関西~九州地域の食料供給を担っています。
基本データ
食品コンビナート
4
か所(千葉2・兵庫1・大阪1)
[日本](/rule/asia/japan/)最大・最古
千葉食品
コンビナート(1964年・90ha)
[日本](/rule/asia/japan/)初の食品コンビナート
神戸東部
第4工区(1972年認定)
共通の特徴
臨海立地
港湾サイロ→一次加工→二次加工の動線
食品コンビナートの仕組み
食品コンビナート一覧
千葉食品コンビナート[1]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県千葉市美浜区新港 |
| 面積 | 約[1]90ha(国内最大) |
| 設立 | [1]1964年(日本最大・最古の食品工業団地) |
| 入居企業 | [1]29社 |
| 年間処理能力 | 小麦約[1]150万トン、砂糖約[1]80万トン、油脂約[1]100万トン |
| 特徴 | 千葉共同サイロ([1]253基・16.1万トン)で国内小麦消費の約[1]20%を取り扱います。1日平均処理量は小麦5,000トン以上です。 |
主要入居企業: 日清製粉(国内製粉シェア約[1]44%・最大手)・山崎製パン(製パン国内最大手)・ニチレイ(冷凍食品大手)・千葉製粉・不二製油・ミヨシ油脂・日本甜菜製糖・理研ビタミン
京葉食品コンビナート[2]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県船橋市高瀬町 |
| 面積 | 約[2]67ha |
| 設立 | [2]1973年 |
| 入居企業 | 約[2]31社 |
| 年間出荷額 | 約[2]2,000億円規模 |
| 特徴 | 「首都圈のキッチン」です。菓子・飲料・惣菜など消費者向け食品が中心になります。首都圈への一日配送が可能な立地です。 |
主要入居企業: サッポロビール(サッポロHD・ビール類国内シェア約[2]11〜12%)・森永乳業(乳業大手)・ニチレイフーズ(冷凍食品)・キーコーヒー・ドトールコーヒー・フジッコ・エスフーズ・文明堂・ユーハイム・メリーチョコレート
神戸東部第4工区食品コンビナート[3]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県神戸市東灘区深江浜町 |
| 面積 | 約[3]56ha |
| 設立 | [3]1972年(日本初の「食品コンビナート」認定)。神戸食品コンビナート協会が産業振興しています。 |
| 入居企業 | 約[3]10社(製粉・製油・製糖・調味料メーカー) |
| 特徴 | 三井物産が主導して企業を誘致します。甲南ユーティリティが蒸気・電力を一括供給しています。関西~九州の消費地に最適な立地です。 |
主要入居企業: ニップン(製粉国内2位)・J-オイルミルズ(食用油大手)・DM三井製糖・キユーピー(マヨネーズ国内シェア約[3]60%)・東洋水産(マルちゃん:即席麺大手)・MCC食品・東洋ナッツ食品
泉佐野食品コンビナート[4]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府泉佐野市住吉町 |
| 面積 | 約[4]115ha(うち港湾44ha)。国内食品コンビナート中、面積最大です。 |
| 設立 | [4]1967年(関西国際空港開港前から立地) |
| 入居企業 | [4]55社(最多。多業種が集積しています) |
| 特徴 | 関西国際空港に近接(距離約[4]8km)しています。不二製油グループ本社の登記上本店所在地です。液体油脂・チョコレート・製粉が主要産業です。 |
主要入居企業: 不二製油(植物性油脂世界大手・本社所在・業務用チョコレート世界シェア約[4]20%)・キユーピー泉佐野工場・東洋製罐大阪工場・鳥越製粉・関西製糖・日本ハム大阪工場
4コンビナートの比較
| 千葉食品 | 京葉食品 | 神戸東部第4工区 | 泉佐野 | |
|---|---|---|---|---|
| 面積 | 90ha | 67ha | 56ha | 115ha |
| 設立 | 1964年 | 1973年 | 1972年 | 1967年 |
| 企業数 | 29社 | 31社 | 約10社 | 55社 |
| 性格 | 一次加工(製粉・精糖)中心 | 二次加工(菓子・飲料)中心 | 一次加工+ユーティリティ共有 | 油脂・水産・多業種 |
| 供給圏 | 首都圏 | 首都圏 | 関西圏 | 関西圏 |
関連企業の時価総額マップ
食品コンビナートに入居する主要上場企業の時価総額を可視化しています。
※ 面積は時価総額(概算)に比例しています。2023~2024年頃の株価をベースにした概算値であり最新の株価は反映していないので注意してください。
参考文献
参考文献・出典
- [1] 千葉食品コンビナート協議会「千葉食品コンビナートについて」https://www.chiba-syokuhin.org/pages/17/
- [2] 京葉食品コンビナート協議会「京葉食品コンビナートについて」https://www.kfc230307.org/about.html
- [3] 神戸新聞「食品コンビナートのいま」https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/fu-kei/202209/0015666145.shtml
- [4] 泉佐野市立図書館「泉佐野食品コンビナート」https://library.city.izumisano.lg.jp/izumisano/nandemo/si/syokuhinkonbi.html